防犯配慮の家🏠vol.1
狙われやすい家には、いくつかの特徴があります。住まいの安心を脅かす侵入盗の防犯対策として、まずその具体的な手口をしっかりと知ることが大切です。
近年の侵入盗犯罪の傾向を知りましょう。
増加傾向に転じています
住宅などの建物に侵入し、金品を盗む「侵入窃盗」や凶器等を示すなどして、家人を脅して金品を強奪する「侵入強盗」の件数は平成の後半から令和に入るまで減少傾向にありましたが、いままた増加傾向に。
中でも戸建住宅がかなりの割合を占めています。
近年、宅配業者を装ってドアを開けさせたり、窓ガラスを破壊して住宅に押し入ったりなど、悪質な手口による侵入強盗事件が連続して発生しています。手口の巧妙化・凶悪化が進んでいることから、防犯対策のより一層の強化が求められています。
侵入犯の行動パターンを知る
【行動パターン①】侵入犯はまず、留守を確かめる!
侵入犯は、なによりもまず目的の家が留守かどうかを確認します。インターホンを鳴らしてみたり、家の中に人の動きがないか確認したり、カーテンのしまり具合、たまった郵便物など、外から見える家の様子も留守確認の手段となっています。
留守かどうかに加えてチェックするのが、侵入しやすさと逃げやすさ。庭木などの死角になるものや、電柱や雨どいなど、足場になるものがあると侵入しやすくなりますし、人通りや人目が少なければ逃げやすくなります。
侵入されないためには、留守かどうかが分かりにくいようにすること、隠れるところがないようにすること、簡単に出入りできる経路がないようにすることが大切です。
【行動パターン②】侵入犯は、窓から入る!
戸建て住宅の場合、53.5%が窓から侵入しています。最も多いのが、直接庭に出入りできる「1階居室の窓」からの侵入です。侵入口は次に表出入口、その他出入口の順で多く、2階建て以上の戸建て住宅の90%が1階から侵入されているという報告もあります。
共同住宅においては高層階になるほど表玄関からの侵入が増えますが、高層階でも約1/4は窓からの侵入です。高層階だから窓からは入ってこない、とは言えないのです。
窓の防犯性能を上げることは侵入犯罪を防ぐのに大いに役立つことが、この結果からもわかります。
【行動パターン③】侵入犯は、5分で諦める!
用心深い侵入犯は、侵入に時間がかかればかかるほど犯行をあきらめます。侵入をあきらめる時間で、最も多いのが2~5分。つまり5分以上要すると、侵入をあきらめる確率が高いのです。「侵入に時間をかけさせる」、これが侵入されるかどうかの大きなポイントになります。
防犯に配慮した住まいを考える
【境界ゾーン】侵入者を敷地に入りにくくする!
侵入者を敷地内に入れないようにするためには、門扉やカーゲート、高いフェンスなど、家と庭の周りを囲んだクローズドタイプのエクステリアが効果的です。侵入するのに「時間がかかりそうだな…」と思わせることで、心理的抑止効果も期待できます。
また、プライバシーを守りやすい造りになっており、家の窓を開けていたり、庭でくつろいだりする際にも外から見えにくく、子どもの飛び出しを防ぐのにも役立ちます。
逆に、見通しの良いエクステリア商品や外構スタイルを選択すれば、侵入者の隠れる場所を作らず、死角を最小限に抑えられます。そのようなオープンタイプのエクステリアなら、侵入するとき「見られてしまうかも…」と思わせることで、犯行を防ぐ効果が期待できます。
【敷地ゾーン】侵入者が建物に近づきにくくする!
侵入者が一番嫌なことは、他人に見られることです。そのため、音を発したり、光で明るくしたりする対策は、非常に効果があります。家の裏手やカーポートなどにセンサーライトや監視カメラを取り付けることで、人目が届きにくいところに隠れようとする侵入者を威嚇することができます。
見通しの悪い箇所に、防犯砂利を敷くのも一つの手です。侵入者は音が出るのを嫌い、建物に近づかなくなります。
【開口部ゾーン】侵入者が屋内に侵入しにくいようにする!
先程の行動パターンでも触れた通り、侵入被害のうち、約75%が窓や玄関から侵入されていることが分かっています。窓ガラス破り、ドア錠破りなどの侵入手口に対し、侵入者があきらめる“5分以上”の時間をかけさせるのがポイントです。
そのためにもぜひ、侵入に対して5分以上の耐性が認められている「防犯建物部品」の活用や、後ほど詳しくご紹介しますが、防犯性能が高い商品の積極的な利用をご検討ください。
錠や部品の強化によって、人的侵入手口に対して5分以上の抵抗時間を持つ商品です。
約7割の泥棒が侵入をあきらめるとされる「5分」に耐えることを基準に、最近の侵入手口に応じた厳しい防犯性能試験をクリアしたドア、ガラス、錠、サッシなどの建物部品にCPマークが表示されています。CPとは、「Crime Prevention」の頭文字をとったもので、防犯の意味を持っています。
ここまで犯人の行動パターンを知り、その上でどう防犯に配慮すべきかをご紹介しました。
次回は『侵入犯の侵入手口と開口部の対策を知る』です。